家づくりの最重要事項は全体の進路を決め、その流れを止めないことです。

住宅新築の全体の流れ

住宅新築を進める上でその手順をしっかりと把握しておくことは非常に大切です。
以下ではその手順のポイントを流れに沿って解説します。

 

@自己資金と借り入れ金の見通しを予測すること。

自己資金と親などからの応援資金のほか建築主の年収からの借入限度額の予測をします。

A土地候補と間取り候補を立案し概算資金計画を立てること。

各土地毎の間取りプランと合わせて概算の資金計画を立てます。資金計画は土地と建物だけでなく設計や登記費用等の諸費用も全て考慮しておきます。

B融資銀行の事前審査を受けること。

大まかな借り入れ金額が出たら、借り入れ金利だけでなくつなぎ融資や保険料等の条件も含めて融資銀行を選定して借り入れの事前審査を受けます。

C土地候補を絞ること。

総合予算、可能な間取り、立地条件等を考慮し土地の候補を絞ります。

D建物の間取りや外観プランと必要機能を考え全体予算を確認すること。

建物の間取りだけでなく外観と機能を含めたプランを作成しその土地に建築可能なプランであるか建築基準法と照合します。融資銀行からの事前審査を踏まえながら、Aの概算資金計画より一歩踏み込んで全体予算を確認します。

E土地を決定し売買契約をすること。

銀行からまだ融資決定を受けていないので、融資条件付き契約とします。仲介手数料と手付け金は自己資金と考えていなければなりません。

F融資銀行の本審査を受けること。

土地引渡時の支払いや建築工事の支払いに充てる費用を準備しなければなりません。銀行に本審査を提出しますがここでの実際の審査は保証会社です。土地の売買契約書や建築工事契約書が必要になる場合もあります。建築工事契約書はこの時点で具体的な中身が確定していないので、中身に仕様変更が出た場合の処理方法を明記しておく必要があります。

G設計契約をして建物の詳細設計図と工事見積書を作成すること。

本来ならば間取りプランの段階で設計契約があってしかるべきですが、ここまでは建築士でなくとも出来ます。しかし、遅くともここからは建築士の助けが必要となります。基本プランに基づいて詳細設計図を作成し、次に明細書がしっかりした見積書を作成します。

H全体予算を固めること。

土地代金や工事代金が明確になったところで最終の全体予算をチェックします。住宅新築事業に無理がないか確認して、予算を固めます。

I建築確認申請書を提出すること。

次の段階に進むためにはまず建築確認申請書を提出して審査機関から建築確認済証を受けなければなりません。

J銀行融資の実行を受けること。

ここから土地や工事資金が必要となってきますので、自己資金で不足する分を銀行と金銭消費貸借契約を締結して具体的に借り入れをします。建築工事が終わらないうちに予定貸出全額を許す銀行は多くないので、つなぎ融資制度を活用する必要もあります。

K土地の引渡を受け所有権移転登記と抵当権登記をすること。

土地代金を全額支払って引渡を受けます。土地の所有権移転登記とともに抵当権設定登記もします。これで堂々と土地を自由に使用して建築工事に着手できます。

L工事業者を決め契約すること。

工事業者を選定する際には価格が高い安いだけで判断せず他の要件を含めて総合的に判断して決定します。Gで作成した図面と見積を基に工事契約をします。契約書には契約金額、支払い方法・時期、工期等が記載されます。契約書に添付される約款は重要ですから一方的に発注者が不利になる項目が無いかどうかチェックしてからサインしなければなりません。

M工事業者の作業をチェックすること。

欠陥住宅となるかどうかの重要な部分です。業者任せにしないで自分の目でしっかりと見なければなりません。しかし、専門家でない建築主が現場で指摘しても的外れだったりすると職人の心証を損なうだけですので、第三者の建築士を依頼してチェックに当たらせるべきです。

N工事業者から引渡を受けること。

建物が完成したら自分の目で確認しながら引渡を受けます。設備の取り扱い説明書や保証書も一つ一つチェックします。メンテナンスの頻度なども確認しておきます。

O建物表示登記、建物保存登記、抵当権登記をすること。

建物表示(表題)登記はクロス貼り等の内装が終われば事前に申請できますので準備しておくと良いでしょう。建物の所有権保存登記と抵当権登記は建物表示(表題)登記が終わらないと出来ません。

P引っ越しをして入居すること。

カーテンは建築主が準備することが多いのですが、工事業者にお願いすれば手配してくれます。また、入居日を決めて水道、電気、ガス等の使用開始手続きをして、家具や家電を搬入します。

 

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