坪単価の計算はまるでマジックです。定義や表示の仕組みを理解し上での比較が必要です。

住宅の坪単価の定義は各社まちまち

ハウスメーカーの平均坪単価は85万円くらいのようです。建坪35坪なら2975万円、40坪なら3400万円、50坪なら4250万円となります。

 

しかし、実際にはこう言った単純計算での見積もりにはなりません。

 

例えば、60坪平屋建てと1・2階とも30坪でいわゆる総2階60坪の建物では基礎と屋根費用は、平屋建ての方の工事面積が倍程になるわけですのでその分大きくかかります。

 

システムキッチン、ユニットバス、洗面化粧台、洋式便器、洗濯機パンの衛生設備5点セットは2世帯住宅とかでないかぎり建物の広さに関係なくほぼ同一の費用となります。

 

2階建てには階段室が必要で、広い平屋建てには奥廊下が必要になります。階段室の方が奥廊下よりu当たりの木工事がかかります。

 

また、リビングや寝室等の広さが6帖間主体か8帖間主体かでも内壁の密度が違い費用も違いますし、収納の数と建具の枚数でも違います。

 

このように、坪単価×面積ではとても計算できないのです。

 

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ほとんどの建築主はいざ計画を立てようとしても建築費用が分からないから、誰かに聞かなければなりません

 

とりあえず、住宅展示場に行って探り出してこようと思って覗いてみたら、先々の営業マンに追跡営業をされ、とうとうその中の一メーカーと契約することになってしまった。又は、知り合いの建築会社にさらり「坪単価はいくら?」と聞いてみたら、後は断り切れなくなってしまった

 

とか、ほとんどがこのパターンではないでしょうか。

 

ここでは、そんな事を望んでいない建築主の方のために無料ソフト「パッと木造見積」を開発しました。どうぞどんどんご利用下さい

 

一般的に認識されている坪単価の定義は

 

        坪単価=工事費用÷面積

 

でしょう。これで正解としてもいいのですが。 いざ、工事費用とは?面積とは?となると各社で定義がまちまちなのです。

「パッと木造見積」で坪単価の試算

「パッと木造見積」の見積内訳と解説を見て下さい。この中で一般的に業者が坪単価に入れていない工事費用は付帯工事、照明器具費、テレビアンテナ、テレビ配線・電話配管、場合によっては神棚、仏間、床の間、システムキッチン、シューズボックス、給排水の外配管、消費税、建築設計費用です。

 

コンセントは部屋に1カ所限定、照明の壁スイッチは原則的になしでリモコンかひもスイッチが前提、基礎はベタ基礎でなく布基礎、モニターホーンではなくチャイムを基本仕様としている場合もあります。

 

しかも、ベランダ、仏間、神棚、床の間、シューズボックスはオプション等としているハウスメーカーもあります。

 

工事面積はポーチやベランダ、神棚面積の入らない「パッと木造見積」での床面積とするか、これらを含んだ面積とするか、で坪単価は変わってきます。

 

つまり基本式は同じだとしても分子と分母の定義が各社まちまちなので(現在何の法的規制もありません)、坪単価を安く見せるためには、できるだけ分子を小さく分母を大きく取ろうと考えているのです。

 

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ちなみに、「パッと木造見積」の内容で計算すると分子は2455〜1830万円。分母は38..00〜34.75坪に変化しますので、最小の坪単価は1830万円/34.75坪=52.7万円となります。パッと木造見積の提示単価64.6万円よりグンと安くなりました。

 

何が入っての坪単価なのかは、提出された業者からの見積をじっくり解析して自己判断する必要があります。決して営業マンの話 を鵜呑みにしないで下さい。営業マンは早く成約に結び付けたくて低めの坪単価を提示して関心を引こうとしているだけなのです。

 

「パッと木造見積」は簡潔に主要項目だけの見積書となっていますが、本来の見積書には資材明細と数量が明示された内訳書や明細書が添付されていて、一棟でA4用紙100ページ前後となります。これがないと後で工事業者とトラブルが発生した時、収集が着かなくなります。

 

 

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