住宅工事での建築士による第三者検査は既に必須事項です。密度の濃い検査で欠陥住宅を防ぎましょう。

住宅新築現場施工中の第三者検査と仕様調整への介入

工事業者が決まり、いよいよ、敷地整備工事と建築工事が始まります。

 

ここでまず肝に銘じて欲しいのは、住宅業界を性善説で見てはいけないと言うことです。このことは全ての業者に該当するわけではありませんが、性善説を肯定出来ない事件が相次ぐため建築基準法は何度も改正されてきました。

 

おそらく今後も事件と法改正は続きます。

 

最も、改正に近いところにあるのは、私は施工中建物の第三者による検査体制だと考えています。

 

なぜなら、欠陥住宅が相次ぐ中、現制度の建築確認審査機関の中間検査や完成検査ではまるで不十分だからです。

 

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現場施工では、図面に記載されていない鉄筋の重ねや補強をしなかったり、基礎天端の凹凸が多いままだったり、アンカーボルトの位置を誤っていたり、柱の芯ずれを考慮していなかったり、屋根下地ルーフィングの貼り方を誤ったり、外壁の通気シートの貼り方を誤ったり、断熱材の施工を誤っていたり、各種金物・釘・ビスの使用方法を誤っていたり等と後で重大な問題につながる事項が沢山存在します。

 

これらのことは工事会社が気づかないままか、あるいは、解っていても建築主側から是正指示を出されない内は放っとく場合が多いのです。

 

このような問題点は、専門家でないとなかなか見抜けません。施工業者がいかに大手のハウスメーカーだからと言って安心出来る物ではないのです。

 

大手ハウスメーカーの中には現場監督が週一回だけ、ざっと現場を見回って帰って行くという所もあるそうです。いかに、自社の施工に自信があるにしてもそれはないでしょう。

 

建築中の建物の検査では第三者というより建築主側の検査員が、最後まで、きちんと目を光らせて誤りを防ぐことが目的です。欠陥住宅の防止のためには必要不可欠の検査と断言してもいいくらいの大切な検査です。

 

現行建築基準法と建築士法では工事監理(設計監理)者は建築主が定めることになっています。法律が本来意図していたところであろう所の工事から設計を分離する方式で進められる建築工事体制であれば、ほとんど問題なく建築士は建築主側に立って監理します。

 

ところが、設計と工事を合わせて一業者に発注する一括請負方式ですと、工事監理(設計監理)は請負業者側の建築士が就任してしまいます。ほとんどの工事業者は建築主に正しく工事監理(設計監理)者の職務を伝えず、自社の都合の良い建築士を確認審査機関に届け出ます。

 

これで、1週間に1回しかこない場合がある現場監督(施工管理者)と、着工時そして上棟時の中間検査及び完了検査の計3回しかこない工事監理(設計監理)者とでの欠陥住宅の最大の温床となりうる工事体制が出来上がってしまうのです。

 

これの対策としては

  • 初めから、設計分離発注とする
  • 工事監理(設計監理)だけは工事業者の請負から抜いて、工事業者にしがらみのない建築士と別途契約する
  • 工事業者と契約する際に予め特約を結んで、建築主指定の建築士を現場に入場させ検査をさせる

ことが肝要となります。

 

最後の対策案だと建築主の負担が多くなる場合もありますが、工事契約以前から設計図書と見積チェックのため当事務所のような住宅コンサルタントを入れて、工事の値段交渉を有利に進めて全体工事費の削減を図ることでコンサルタント料を捻出することも可能です。むしろこの方法が得策となるとが多いのです。

 

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次に、現場施工の段階がこれまでと違うことは、現場に鉄筋やコンクリート、木材や建材等の建設資材が入り、職人の手でどんどん土地と建物が形作られて行きますが、一度作られたものはそう簡単に後戻りして作り直しが出来ないことです。

 

計画段階の図面変更のような訳にはいきません。建築主が設計図書の段階で本心とは違うことに気づかないまま現場で出来てしまった物や搬入された資材は良くとも悪くとも受け入れざるを得なくなります。

 

また、現場で構造物の位置や形が見えてくると新たな問題に気づいてきます。

 

例えば、擁壁の高さや敷地と隣地の落差、建物の配置や高さ、資材の材質やデザイン、部屋の広さや明るさ等図面で想像するのと、実際目で見た感覚とでは相違があります。いわゆる思い違いです。

 

したがって、建築主も次の工程に取りかかる前に図面からだけ想像していた事を現場に立って再度想像し直す必要があります。

 

建築確認申請で軽微な変更と認められない事項の変更は容易でありませんが、予算内で変更できるヶ所は沢山ありますから、再度、現地で出来上がりを想像をしながら一つ一つチェックしていかなければなりません。

 

施工業者はこう言った作業を非常に面倒くさがり、建築主に自ら申し出ることは避けて通ります。工事期間中はせいぜい建材の色模様の選択打ち合わせ程度で終わらせようとします。

 

再確認事項は、内部建具の位置と開閉方向、器具や手すり下地の位置、流し台の配置、カウンターの高さ、収納造作、照明器具・コンセント・スイッチの位置等諸々です。

 

これらのことは、基礎が出来たり上棟が終わった時点でないと空間イメージが沸かなく図面のままで良いかどうか非常に解りづらいものなのです。プレハブ化された住宅の場合は設計の段階で位置と仕様が固定されてしまいやすいので、この辺りは念には念を入れて図面をチェックしてして契約しなければなりません。

 

つまり、この辺りをしっかり押さえて進めれば住宅建築で後悔が残る割合は一層少なくなります。

 

現場施工には設計図面との照合だけでなく、このような建築主と工事業者との間に発生する思い違いを調整する第三者の目も必要なのです。当事務所ではそのような問題解決をもサポートします。

 

 

工程毎のチェック

背筋検査 

断熱材 

コンセント 

補強鉄筋のチェック

断熱材のチェック

コンセント類の位置チェック

 

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