欠陥住宅かと感じられたらまずは第三者の立場の建築士に相談することが大切です。

欠陥住宅の調査目的と調査内容

調査を開始する時点で依頼者は自己の建物についてどのような不具合があるのか又は予見をしているのかがはっきりしていることがほとんどです。

 

したがって調査位置と方法はケースバイケースとなります。位置は屋根、外壁、基礎、内部、床下、小屋裏等、方法は目視検査、破壊検査、測定機器での検測、地盤調査等様々です。

 

調査目的は、公正な立場で欠陥住宅と言えるかどうか。言える場合の因果関係の立証です。
因果関係とは依頼者が工事請負者に対し損害賠償や補修請求する上で加害行為(施工)と結果(不具合)のつながりの事を言います。

 

建築主のほとんどは建築の素人です。不具合と感じる事が本当に欠陥住宅と言える物なのかの区分けが困難です。不具合の感じ方は建築主の主観が支配する部分が多く、建築士も弁護士も建築主の主張に対し絶対的自信が持てない場合もあります。

 

まずは、専門家である建築士が現場で、通常許容出来る不具合なのかどうか、不具合を来している原因はどこなのか、不具合と原因に相当な因果関係が認められるかを確認します。

 

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この確認をする技術と判断は書物の知識だけでは不十分で有り、建築士の資格があれば誰でも出来るという訳でもありません。現場管理や施工までに一定以上の経験を有し、様々な不具合現象に出会って、その解決方法を体験してこないと的確な原因究明は出来ません。

 

原因が特定できたなら、自然現象による劣化なのか、施工上の問題なのかを把握し、施工上の問題となればその根拠となる建築基準法や関連仕様の条文趣旨を提示します。

 

原因箇所が本来あるべき姿とどう違っているかは必要に応じて測量や構造計算等で証明しなければならないこともあります。

 

設計図書があれば、設計ミスであったかどうかも確認できます。

欠陥住宅における瑕疵担保責任、損害賠償と因果関係

損害賠償請求権は民法の債務不履行(415条)と不法行為(709条)に基づいたものです。

 

請負による目的工事や目的事務に相違があったり未完があった場合は、請負契約は無過失責任であるので発注者は因果関係を立証せず瑕疵の補修や損害賠償を請求できます。

 

建築士との設計契約は通常は委託契約となりますが、民法に委託契約という類型はありません。一般には委任契約(準委任契約)と考えられており、その成果品としての設計図書に瑕疵があった場合は債務不履行としての損害賠償の対象となります。

 

この場合、建築主は債務不履行によって受けた損害と原因を特定し、その因果関係を立証しなければなりません。

 

設計契約の実情が請負と見なされる場合は瑕疵担保による是正や賠償となります。

 

また、建て売り住宅の場合は、すでに出来上がった建物を売買契約で購入する法律行為しか存在しないので、後から気づいた瑕疵は原則として不法行為を理由に補修や賠償を請求することになります。因果関係の立証は購入者側となります。

 

ただし、住宅の品質確保の促進等に関する法律により重要な構造と雨水の浸入に関する部分は建て売り住宅であろうと10年間の瑕疵担保責任が義務づけられましたので、この間は購入者は立証しなくとも補修や損害賠償を請求できることになります。

 

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