土地選びでは地盤の判定方法と補強方法間取り計画の注意事項の知識吸収は家づくりの基本です。

地盤は地形と周辺構造物から推定可能です

建物が地盤の上に建つ以上、建て主は地盤の状況を把握した上で購入したいところです。

 

地盤の状況とは次の三つを示します。

 

  • 軟弱地盤で圧密沈下層があるかどうか。
  • 液状化現象が起きやすいかどうか。
  • 盛り土地盤であればその安定度。

 

地盤の状況は地質調査をしないと正式には判りません。それには費用が掛かりますし、一般的に調査方法として採用されているスウェーデン式サウンディング試験(SWS試験とも言います。)の精度にも限界があります。

 

したがって、私は次のような調査で地盤状況を推定しています。

 

  • 周囲の道路舗装の亀裂や不陸の状況、側溝勾配の変化状況、マンホール等と舗装の段差状況
  • 周囲のブロック塀の亀裂や傾き状況
  • 周囲の建物の傾きや外壁の傷み具合の状況
  • 近くを車が通ったときの振動状況
  • 周囲住民からの地下水位深さの聞き取り
  • 地形図より半径10km程度内の海、川、池、山、谷と当該土地の位置関係を読み取り、当該土地の生い立ちを推定
  • 参考としてインターネットからの地質状況の収集

 

現場周囲の構造物に異常があったり、振動が大きかったり、地下水位が高い場合は初めから軟弱地盤を想定しなければなりません。

 

近くに砂浜のある川や海がある場合は液状化現象を引き起こす砂層と高い地下水位を疑わなければなりません。

 

起伏の多い地形の低地部分は地下水が高く不同沈下を起こし易い腐植土層とシルト層があるものと考えなければなりません。

 

傾斜地であったと推定されるされる場所での造成敷地は敷地内で盛り土厚が異なる事がほとんどで、工事に信憑性が確保できない場合は不同沈下を疑うことが必要です。

 

半径10km程度の地形図調査のキーポイントは日本列島は太古に海底だったところがほとんどで、隆起によって形作られたこと。隆起がほぼ収まった後は水が高いところから低いところに流れる課程で現代の地形になっていったことです。そこから当該土地が削り取られた土地なのか、礫、砂、火山灰、シルト、植物等の堆積した土地なのかを推定するわけです。

 

地盤補強をしないで住宅を建てても大丈夫かどうかの判定は、現場の構造物そのものの品質によっても亀裂や傾きの状況は違うわけですから一概に言えません。それでも敢えて例示すると、過去に大きな震災がなくとも、構造物に明らかに目に付く亀裂や不陸、傾きがあればNGです。また、山の付け根や昔に池や川だった場所もほとんどの場合NGです。

 

これで、大方の地層推定は出来ます。後は地質調査の結果を見て、基礎と地盤補強計画を立てることになりますが、NGにならなかった場所はベタ基礎と浅層改良(浅層混合処理工法)で十分建物を計画できるはずです。

 

浅層改良は深さ2m程度の軟弱層にセメントや石灰を混入させながらバックホウで撹拌して土質改良する方法です。費用は場所や深さ等で違ってきますので一概には言えませんがu当たり1万円前後と考えて置きましょう。

地盤補強の必要性と工法

地盤補強をしないで住宅を建てても大丈夫かどうかの判定は、初めての方が前述の方法で地盤を推定する場合、現場の構造物そのものの品質によっての亀裂や傾きの状況を的確に捉えるのは困難なわけですから、適切に導き出すことはできません。

 

それでも私の経験から地盤補強の必要性の判定基準を敢えて例示すると、過去に大きな震災がなくとも、構造物に明らかに目に付く亀裂や不陸、傾きがあればNGです。また、山の付け根の平地や昔に池や川だった場所もほとんどの場合NGです。

 

NGの場所は深層改良(深層混合処理工法)杭基礎を初めから検討しておかなければなりません。これらの工法を採用する場合は重機の搬入や隣接地への施工影響についても合わせて検討しなければなりません。

 

深層改良は現地地盤とドリル先端から噴出したセメントスラリー等を撹拌して円形の柱を作っていく方法です。直径は40〜60cm程度で深さは20m以上可能な工法もあります。改良ピッチや本数は地盤状況と建物の基礎形式で決定していきます。費用は工法によって大きく違います。

 

杭基礎の場合は資材と重機の搬入のため一定以上の道路と敷地の広さが必要です。また、打設による設置は近隣への振動と沈下影響を考え避けなければなりませんので、杭設置位置をドリルで先掘してから挿入する方法を採らざるを得ません。

 

山や川、池などから200m以上離れた平地は浅層改良(浅層混合処理工法)とベタ基礎の組み合わせで十分建物を計画できるはずです。

 

浅層改良は深さ2m程度の軟弱層にセメントや石灰を混入させながらバックホウで撹拌して土質改良する方法です。費用は場所や深さ等で違ってきますので一概には言えませんがu当たり1万円前後と考えて置きましょう。

 

小高い丘や切り崩した山、地下水位(水脈の地層)が地表より3m以上深い土地は布基礎でも可能なはずです。

 

これで、大方の地層推定と地盤補強に対する対応の仕方の判断ができます。は出来ます。後は地質調査の結果を見て、具体的な基礎と地盤補強計画を立てることになります。

 

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