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欠陥住宅の定義

欠陥住宅の定義は明確にはありません。敢えて一言で表してみれば「基準や約束事に沿って造られていれば、発生し得なかった不具合のある住宅」と言えます。

 

基準や約束事というのは最低基準としての建築基準法の規定、上乗せ基準としてのフラット35の仕様、その他工事契約時に添付された設計図や見積による約束等を言います。

 

不具合には、構造、防火、安全避難等の重要部分に関するもの、雨漏り、換気、床傾斜等の生活機能に関するもの、また、不具合がすでに露見しているものと、地震や暴風雪が来たときや地盤の沈下具合で将来的に露見が予測されるものとがあります。

 

現在、具体的に被害が露見していなくとも、将来的に予測できれば欠陥住宅と言えます。

 

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不具合の感じ方は個人それぞれで、以外と主観に頼る部分もあります。したがって、何でもかんでも欠陥住宅に結び付けて考えるのは良くありません。

欠陥住宅の原因は手抜き等の人的要因が大きい

不具合が発生する要因は大きく分けて次の6つの場合が考えられます。

 

第1は調査・企画・設計の甘さから発生する場合です。

  • 地盤調査と補強方法の判断を誤って建物が不同沈下した。
  • 廊下や階段の巾が狭かったり曲がりがあって大型家具を搬入できない。
  • 結露防止のため吸湿性が欲しいところの柱等の構造材が防腐剤や防虫剤又は塗装を施してむしろ腐食してしまった。
  • 防虫処理がなされていない合板を選択したため木食い虫が発生した。
  • 実証が不十分な特殊工法を採用して構造耐力が落ちてしまった。

 

第2は手抜き工事から発生する場合です。

  • 基礎砕石の転圧不十分により局所的な不同沈下が発生し建具が開閉できなくなった。
  • 補強鉄筋を省いたためコンクリートに構造亀裂が発生した。
  • 壁胴縁や天井野縁間隔を広げたため歪みが出てきた。
  • 瓦の留め釘を部分的に省いたため暴風雨で剥がれ雨漏りした。

 

第3は資材・機器そのものの欠陥から発生する場合です。

  • 生コンの配合ミスで所定の強度が出なく構造亀裂が発生した。
  • 防腐剤の注入不足でシロアリ被害が発生した。
  • 集成材の接着剤が湿気のため接着低下して剥離現象を起こした。
  • 吸水率の高い窯業系サイディングであったため施工後反り変形を起こした。
  • フロアや窓枠材等の化粧建材の表皮が直射日光で干割れした。

 

第4は使用資材の取り違えから発生する場合です。

  • 筋違いや構造用合板の厚さを確認しないで使用したため断面不足で構造耐力が落ちた
  • 指定された屋根ルーフィングや板金の厚さを誤り防水性能や耐久性が低下した。
  • 釘・ビス・金物等の種別や使用位置を誤り所定の強度が得られなくなった。

 

第5は作業手法の取り違えから発生する場合です。

  • 屋根・外壁下地の防水紙の重ね方向や重ねしろの誤りで雨漏りが発生した。
  • コンクリートやモルタルの養生方法や期間を誤り強度が低下した。
  • 鉄筋の保管や管理ミスでサビ発生や泥付着、雪氷付着状態でコンクリート打設したため鉄筋の効力が低下した。
  • 断熱材の取付方法を誤り内部結露が発生した。

 

第6は施工精度の低さから発生する場合です。

  • 基礎の型枠位置、基礎天端の水平精度が悪く土台が基礎からはみ出たり、水平を確保できなくなったりで、柱・壁の垂直精度が悪く最初から歪んだ建物となった。
  • 排水管の勾配精度が悪く、土砂や夾雑物が詰まりやすく維持管理の頻度が高くなった。

 

いずれも、人の判断や作業が関わっての要因がほとんどで、機械の故障でという要因はごく希です。

 

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その中でも第2の要因の手抜きは、「作業が面倒だから」、「予算を削らなければならないから」、「工期が迫っているため工程を省略しなければならないから」等の理由で、行為の結果が明らかに予測できるにもかかわらず実行されてしまう場合ですから、モラルさえきちんとすれば防げられる要因です。

 

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