地震大国日本の近年の大地震
以下は、ここ100年以内に起きた代表的な大地震です。
- 1923年(大正12年) 9月 1日 関東大震災
- 1948年(昭和23年) 6月28日 福井地震
- 1964年(昭和39年) 6月16日 新潟地震
- 1978年(昭和53年) 6月12日 宮城県沖地震
- 1983年(昭和58年) 5月26日 日本海中部地震
- 1993年(平成 5年) 7月12日 北海道南西沖地震
- 1995年(平成 7年) 1月17日 阪神・淡路大震災
- 2003年(平成15年) 4月26日 宮城県北部地震
- 2004年(平成16年)10月23日 新潟県中越地震
- 2011年(平成23年) 3月11日 東日本大震災
- 2016年(平成28年) 4月14日 熊本地震
これ以外にもまだまだあります。
日本列島は地震の巣とも言われ、世界有数の地震国です。テレビの地震速報が日常茶飯事となっていて、日本国民は震度4や5の地震ではさほど驚かないほど免疫ができすぎてしまいました。そして、それ以上の大地震が発生した場合の被害を自分自身の地域や身になかなか重ね合わせようとしません。
日本列島で地震に縁がない場所はありません。大地震は忘れた頃にでなく、忘れないうちに追い打ちを掛けるように発生することも良くあります。
これまで50年も生活していて大きな地震がなかった地域だから「自分の地域にまで震災が直接襲ってくることはごく希なこと」、と妙な安心感を持たないことが大切です。
阪神・淡路大震災はそのような安心感を見事に裏切りました。地震の空白地域こそ不安要素は高いと観るべきです。
何しろ日本列島は次図のように、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北アメリカプレートによる地球規模の地殻変動や、活断層や火山活動による地震エネルギーの蓄積が至る所で進んでいます。
その封印が何時切れるか予測するのは今の科学では困難です。満月や新月の潮の干満が激しい日に起こりやすいとの統計データーを発表している方もありますが、まだしっかりした解析はされていません。
改正を重ねた建築基準法の耐震基準と検査態勢
建築基準法は建物の安全や衛生等の最低基準を定めた法律です。昭和25年に施行されてから耐震基準はたびたび改正されてきましたが昭和53年の宮城県沖地震を契機に大きく見直しされ、昭和56年6月に新規定が施行されました。
新規定では、2階建て木造建築の1階筋違い量が約4割増されただけでなく、筋違いそのものの強度が1/3〜2/3に減じられた物も有り、実質倍の筋違い設置量に押し上げられました。したがって改正以前の5月末日までに建築確認がおりた住宅は地震への強度が不足している可能性があります。
また、平成12年にも建築基準法は改正されて筋違い配置のバランスや柱の仕口金物規定が設けられました。
耐震診断では筋違いによる強度だけでなく、聚楽壁やクロス壁も一定の強度があるものとして、仕口金物とバランス等を考慮しながら耐震強度を算定します。
平成10年6月の改正で中間検査制度が導入されましたが、実施機関である都道府県は木造住宅の実施方法を条例化し実際に行い始めたのは平成11年以降からでした。5年以上遅れて実施した都道府県もありました。
つまり、それまでは建築士が第三者の立場で管理していない限りは、所定の耐震基準を確実に満たした住宅であるかは誰も証明できない状態であることになります。
住宅業界はそれまでの性善説を見直せざるを得ない事件が相次ぎ検査態勢を整えなければならずやっとここまで来ましたが、まだまだ不十分です。
住宅の耐震診断は昭和56年5月末日以前に確認申請がおりた主として木造の建物を対象になされますが、それ以降でも検査態勢が不十分だった建物は耐震基準を満たしていない可能性があります。